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癒やしスポットNO.23 葛葉緑地

かながわトラストみどり財団

かながわのみどりや森林における

パワースポット・ 癒やしスポット フォトラリー令和3年4月30日まで開催!

神奈川のみどりの大切さを普及啓発する当財団では、まだ知られていない魅力あるみどりのスポットが県内にはあるのではないか。また、知られていてもさらに多くの皆さまに周知することにより、みどりのすばらしさを体験していただきたい。そんな思いから「かながわのみどりや森林におけるパワースポット・癒やしスポット募集事業」を行うことにしました。
そしてこの度、令和に新たなみどりの発見!フォトラリーを実施します!

癒やしスポットNO.23 葛葉緑地

 蛇行して流れる葛葉川に沿う、昭和62年に「かながわナショナル・トラスト第1号」に指定された緑地。葛葉緑地は台地を深く刻み、谷との高低差は30mにも及びます。急峻な斜面は、豊かな樹林におおわれ、市街地における貴重な緑地帯を形成しています。
【所在地】秦野市曽屋【最寄駅】小田急線「秦野」駅から緑地入口まで徒歩往復約60分バス渋沢行で「宮上」下車 緑地入口まで徒歩往復約10分【コース概要】くずはの広場観察路マップ参照 ※散策の前にはぜひ「くずはの家」にお立ち寄りください!

駅からの名水の里を散策

 緑地へは小田急線秦野駅からバスに乗って停留所「宮上」で下車という早く向かう方法もありますが、せっかくなので駅からの散策を楽しみながら歩くことにしました。

 さっそく秦野駅北口からまほろば大橋を渡り、水無川に沿って歩きます。丹沢の山々を水源とする水無川ですが、まさに名前のとおり川幅が約25mほどありながら、水量が少なく河原の石がゴロゴロと目立ちます。これは、秦野の地盤は水を通しやすく地下水となって流れるため、水の流れがほとんど見えなくなるからだそうです。水無川はここから下流で葛葉川、金目川と合流し、平塚市では花水川と名を変えて相模湾に注ぐ「金目川水系」の一つです。また、水無川の上流には財団のイベントでよく利用する秦野戸川公園があります。
 まほろば大橋から秦野橋まで歩き、商店街を抜けて古道の「乳牛通り(ちゅうしとおり)」に入ります。秦野市内には「大道通り(だいどうどおり)」や「曽屋みち」などの古い街道が各所に延びており、昔から交通の要所だったことがわかります。
趣ある古道をゆっくり散策し、風情ある豆腐屋や大きな古民家の家々の庭木を楽しみながら歩き、車通りの激しい幹線道路に出たところで曽屋水道記念公園にたどりつきました。これまでのところで20分くらい。公園看板の説明では、ここは極めて早い時代に建設された水道施設で、1890年(明治23年)、横浜、函館に次いで全国で3番目にできたそうです。また、村人が主体となって計画し、資金を出資して作り上げたという非常に珍しい近代水道施設だったようです。
この施設に貯水池やポンプ所を置き、時代とともに取水抗が掘られました。その水源地の多くは葛葉緑地周辺を水源として、水道管を通して取水され、1983年にその役目を終えました。現在は遺構の周辺にベンチや水辺のビオトープが作られた公園となっています。思いがけず水道遺構と湧水が豊富な葛葉緑地の接点を見つけることができました。
 ここから水を司る曽屋神社を横目に坂を上がり、国道246号線の立体交差を抜けてちょっと控え目な、緑色の「葛葉緑地入口」の看板を見つけました。こんな幹線道路と住宅街に緑地があるのか心配になりますが、緩やかな上り坂を歩いていくと樹木が少しずつ見えてきます。そこで入口に着いて、はっと気づきます。
緑地といえば山など見上げることが一般的ですが、葛葉緑地は逆で下に広がって見えるのです。これまで秦野駅から緩やかに登ってきていたことにも気づきました。
足元の台地より下に緑地があり、鳥のさえずりとともに川のせせらぎが聞こえます。まさに秘境ともいえる緑地です。住宅街から見下ろすと、サクラやコナラなどが若葉を広げようとしている隙間から、ログハウスの「くずはの家」が樹林に囲まれて見ることができます。そのさらに下を葛葉川が流れています。
 レンガで組まれたソメイヨシノのサクラ並木道を下っていき「くずはの家」に到着しました。

 エノキにかけられた巣箱にカメラが仕掛けてあり、今年はシジュウカラが営巣しているところです。今ちょうどエサを運んできましたね。またエノキの下には「でんじそう池」があります。1月から3月にヤマアカガエル、3月半ばごろにアズマヒキガエルが産卵にやってきます。
 さあそれでは緑地内を散策してみましょう。

―あの“そうめん”を流しそうな竹組は何?
 これはそうめんを流さず、どんぐりを転がす遊具です。これは丸みのあるクヌギのどんぐりを頂上から転がすと。コロ、コロ、コロと軽快な音がします。

吊橋を渡り右折、葛葉川の河原へ

 丹沢山塊から流れる葛葉川は、秦野の台地を深く刻み、大きく蛇行しています。最も深いところで約30mの切り立った崖がある“峡谷”を形成しています。こちらを見てください。地層観察にはうってつけの場所です。
 秦野地域は箱根や富士山が近いために火山噴火の様子を地層で見ることができます。川の水面あたり、白っぽく見えるのが約12万年前の箱根火山の噴火で灰や砂、軽石などが飛来した層です。その上の層の厚く黒い部分は関東ローム層といって、もともとは火山灰ですが、どこの火山に由来するかは不明です。ゆっくり時間をかけて堆積し、植物の腐食を重ねた層といえます。そしてまた時間が経過して噴火し、白い層が積まれるわけです。上の方に見える小石などのレキも上流から流れて堆積した層で、約5万年前といわれています。

―カワセミが目の前を横切りました!
 ちょうどあの枝先に止まっていますね。
 漢字では翡翠と書くようにきれいな青色の背中に大きいくちばしが特徴です。枝先にとまって獲物の川魚を探しているのでしょうか。
 さて、周辺を見てみましょうか。河原は花畑ですね。日当たりのよい場所は昆虫たちの楽園です。セイヨウアブラナ、ハマダイコン、オオアラセイトウなどが咲いてて、たくさんのチョウが飛んでいます。スジグロシロチョウやモンシロチョウ。ヤマトシジミ、ベニシジミなどシジミチョウもたくさんいます。でもシジミチョウは翅が青いチョウが多くいるので、よく観察しないとわからないですよね。
こういうときはカメラのズームか接写で撮影するとわかります。画面を見てください。これはツバメシジミでした。後翅にピョンと尾状突起が見えますか?小さな尾状突起からツバメの尻尾って連想しにくいけど、そこからツバメという名前が付きました。ほかにオレンジ色の模様も特徴です。このほか春先に小さいシロチョウの仲間でツマキチョウも見ることができます。

飛び石を超えてけやきの道へ

 飛び石も一部流れてしまって、渡りにくくなりましたが、スギ・ヒノキの針葉樹林に入りました。
 タニギキョウやニリンソウが咲いていますね。こちらにあるのが、ウラシマソウです。名前はいかいも浦島太郎が持っていそうな釣竿に見えるからですね。
山菜のコゴミももう立派に成長していますね。きれいな新緑です。

 さて少し山を登って金比羅宮に向かいます。
 ビロウドツリアブが吸蜜していますね。春のこの時期だけ見られますが忙しそうです。
ちょうどコクサギがありますね。「コクサギ型葉序(ようじょ)」って聞いたことありますが?一般的な葉のつき方は対生か互生ですが、コクサギは互い違いに2枚ずつ付くのがとても不思議ですよね。
 金比羅宮に着きました。ここから一旦、市道に出て住宅街を歩きますが、どんぐり山コースからくずはの家に戻りましょう。
 住宅街に登ってきました。これまで、中心を流れる葛葉川の河原から始まり、峡谷の崖、水が湧き出る水辺などの環境から少しずつ尾根筋を登りつつ、段丘面の草地などを観察してきました。ほんの小一時間歩くだけで様々な環境がありました。

※この記事は財団発行の機関誌ミドリ117号を転用したものです。

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紅葉の葛葉緑地

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葛葉緑地内

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くずはの家

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どんぐりころころ

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地層観察

フォトラリー参加申込方法

①スポットを1箇所以上体験

「かながわのみどりや森林におけるパワースポット・癒やしスポット」に選定されているスポットを令和元年10月以降に1箇所以上体験していただき、リーフレットの各スポット案内写真を参考に(周辺写真でも可)写真を撮影してください。

②参加申込用紙に記入

参加申込用紙に、体験のスポットの名称、応募者の氏名(財団のトラスト会員の場合は会員番号等)、住所、電話番号、メールアドレスを記入してください。

③応募先に郵送

体験スポットの写真を1箇所につき1枚、裏面に撮影年月日とスポット名・感想を記載して必ず参加申込用紙に同封のうえ、下記の〈応募先〉に郵送してください。

応募締切・応募先

【電話】 045-412-2525
【メール】midori@ktm.or.jp

参加申込用紙はこちらをお使いください。
参加申込用紙(PDF)
参加申込用紙(word)

電子パンフレット配布について

パンフレットをご希望の方がいらっしゃいましたらお気軽に事務局までご連絡ください
(連絡先は上記問合せ先と同じ)。

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