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ナラ枯れ薪の有効活用

薪ストーブイメージ

ナラ枯れの特徴

神奈川県内各地で「ナラ枯れ」によってブナ科のコナラやマテバシイ、シラカシなど、ドングリのなる木が突然、まとまって枯れてしまう事態が起きています。

これは、病原菌を媒介するカシノナガキクイムシという5mm程度の小さな甲虫が原因で、ブナ科の大きな木に集団で営巣繁殖し、感染によって枯らしてしまうのです。

ナラ枯れの特徴としては、7月~9月に青々とした森の中で、大径木(だいけいぼく)がまとまって枯れ、遠目からは茶褐色の枯れた葉が目立ちます。その枯れた樹木の根元には大量の粉上のもの(フラス)が飛び散り、幹の表面にカシナガが穿孔(せんこう)した無数の小さな穴が見られるのが特徴です。

詳しくは、過去の機関誌「ミドリ」121号、119号で取り上げた記事をご覧ください。(下記リンク有)

ナラ枯れ
穿孔から出たフラス(木屑等)を確認できる

ナラ枯れの対応

被害にあった樹木は、枯れているため高い所からの枝折れや倒木などが発生しやすく大変危険です。また、発病1年目はカシナガの集団営巣地として翌年春に大量の成虫を発生させ被害を拡大させてしまうため注意が必要です。

そのため、一般的には被害木を伐倒、伐根の上、シートを被せて薬剤を散布し、殺虫殺菌する対処を行います。

財団で管理する大和市の久田(くでん)緑地においてもナラ枯れ被害が昨年から見られ、主にコナラが被害にあっています。農地や住宅地に隣接している緑地のため薬剤処理は難しいため、冬季に伐採及び薪型に細断することで、冬の寒さと乾燥によって殺虫する方法を実践しました。このほか病原菌を駆逐するとされるシイタケ菌を打ち込む原木栽培も試験的に行っています。

調査は継続していますが、現在のところ処理した樹木からカシナガの発生は見られないことから、有効な方法と思われます。

カシナガの孔道
ナラ枯れを引き起こすカシノナガキクイムシの孔道

薪の有効活用へ

2020年冬に処理された薪は、寒乾燥をしっかり加えトラスト財団の支援者へ寄附返礼品として提供を開始しました。コナラは燃焼効率も高く薪には最適な樹種であり、薪ストーブや暖炉ユーザーの寄附者の皆さまにも好評いただいています。

ナラ枯れ被害木を焼却処分や処理後に放置するのではなく、再生可能なエネルギーとして資源活用につなげていくことは、世界的な取り組みでもある持続可能な開発目標(SDGs)にも一致しています。樹木は再生可能な資源です。伐採され開けた林床には、光が差し込み新たなコナラが発芽し、生育を始めています。

ナラ枯れ被害は今に始まったわけではなく、古くは江戸時代、ナラ枯れと思われる大量枯死が発生し、村総出で炭を作ったという文献が残っているそうです。カシナガは在来種であり、昭和30年代からの石油・ガスなどのエネルギー利用の転換により、薪炭林が利用されず、手が入らなくなり、樹木が大径木化した所で被害が拡大しています。関東では最近の話ですが、日本海沿岸や近畿地方では昭和の終わりごろから被害が拡大したそうです。

トラスト財団でも調査を続け、状況にあわせた処理を行い、緑地の良好な自然環境を保全していきます。

薪配達
マキ寄附の協力者に配達
ナラ枯れ薪の有効活用~マキ寄附の協力者に配送~ 2021年冬季開始

配送範囲は、おおよそ神奈川県大和市内及び近隣地域の方にお願いしております。

2021年度事業として、寄付額2万円以上(配送無料)で、おおよそ軽トラ1杯分の薪をお送りしています。

(在庫がなくなり次第終了します)

問合せ:(公財)かながわトラストみどり財団事務局 マキ寄附担当 045ー412ー2525 メール:midori@ktm.or.jp

伐採した場所で乾燥処理
寒乾燥処理によって薪内のカシナガを殺虫
マキの配達先
カフェのオープンテラスの薪ストーブに利用される
「機関誌ミドリ特集」「ナラ枯れ被害は止められるのか?」神戸大学大学院農学研究科 黒田慶子

「ミドリ」は財団が年4回発行する機関誌です。2021年6月発行の121号においてナラ枯れ等の森林病理学を専門にする神戸大学大学院黒田教授より「ナラ枯れ被害は止められるのか?」としてご寄稿いただきました。

ナラ枯れ特集記事の紹介ページ:https://ktm.or.jp/naragare/

機関誌ミドリ121号PDFデータ(13MB):https://ktm.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/11/m121.pdf

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