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神奈川鳥見さんぽ 冬の鳥を見に行こう

冬の鳥を見に行こう

キンクロハジロ (横浜市・こども自然公園) 金黒羽白と書き、金色の目、黒い身体、白い羽とそのまんまの名前。シベリアなどから冬に渡って来きます。集団でいることが多く、頭が大きめ? なのでカモとしてはかわいらしいカモ。

(機関誌ミドリ135号2024)

冬の鳥を見に行こう

 冬の公園を歩いているとヒッヒッという鳴き声。杭にオレンジ色の鳥が止まっています。これはジョウビタキのオスですね。おしりを上下にふりながら杭から降りてはエサを取ってまた杭へ。
 ジョウビタキは冬に来る鳥で人気者。こんな鳥が近くの公園で見られるのは冬であればこそ。冬は雑木林の葉が落ちて見通しがよくなるし、冬鳥がたくさん渡って来るのでバードウォッチングには最適な季節。ちょっと寒いけど、防寒対策をして鳥を探しに行ってみましょうか。

1の写真1

 

公園の鳥

 神奈川県は山から湖、海と自然環境に恵まれ、都市部にも大きな公園が作られており多種の野鳥が生息しています。
まずは近くの公園を歩いてみましょう。
 先ほどのジョウビタキはよく見られる冬鳥ですね。冬鳥ではないけれども人気があるのがルリビタキ。こちらは漂鳥と言って夏は高原で子育てをし、冬、平地に降りてきて越冬する鳥です。ジョウビタキと並んで人気があります。
公園を進むと嘴が黄色くネズミ色の鳥がいました。これはイカルです。ずんぐりしていてかわいらしい。
 このほかにも留鳥であるエナガやヤマガラ、時にはセッカなど多くの鳥に出会えるので、公園を一周するだけでもバードウォッチングを満喫。

 

 

 

 

鳥の写真2

池の鳥

 公園でたっぷりバードウォッチングをしたあとは池に行ってみます。神奈川県には大きなダム湖、公園の小さな池など多くの池や湖があります。
 夏、池で見られるのはカルガモなど限られていますが、冬は多くの種類の水鳥が越冬に来ます。

 黒くて目が金色の鳥がいました。その容姿の通りキンクロハジロというカモの一種でよく見かけ、愛嬌のある顔をしています。
 同じようによく見かけるのはヒドリガモ、ホシハジロあたりでしょうか。いずれも集団で越冬し、わいわいがやがや、池は一気に賑やかになります。
 運がいいとオシドリなども見られ、冬の池は楽しいですね。

海の鳥

 公園、池と歩いてきたので海に出てみましょう。
 海岸付近にはカモメがたくさん。嘴が赤、ほおの黒いのはユリカモメ。冬鳥ですね。よく見かけるウミネコに比べで小さくかわいらしいカモメです。横浜のみなとみらいあたりでもよく見かけます。
 岩場を歩いているとまっ黒なサギ。これはクロサギで神奈川では冬鳥ではありませんが、三浦半島や大磯あたりの海岸で時折見ることが出来ます。
 この他にもカンムリカイツブリやイソシギなどにも会えるので海岸歩きも楽しいし、開放感があって気持ちさわやか。

山麓の鳥

 

 最後は山麓の鳥。丹沢や大山に登るのは大変。そこで山麓の林道を歩いてみましょう。標高は山のてっぺんよりは低いものの、平地ではなかなか見られない鳥に会うことが出来ます。冬の林道で人気なのは早戸川林道あたりでしょうか。許可車以外は入れないのでバードウォッチングにいい場所。

 冬、赤い鳥に出会います。ベニマシコで冬鳥の人気者。木の上でフィフイと鳴く鳥が。ほおがピンクのかわいらしい鳥。ウソですね。ホントだよ。ウソは里の公園でも見かけますね。

 まだまだいろいろな鳥がいますが、書き切れないですね。みなさんもぜひカメラか双眼鏡を持って冬のバードウォッチングに出かけてみてください。きっと鳥たちの姿に癒やされることまちがいないですよ。

 本稿では冬に見られる鳥を紹介しましたが、4月になると早くも夏鳥がやってきます。これについては次号で紹介したいと思います。

 

渡部 尚久 氏

 

プロフィール

渡部 尚久(わたべなおひさ)

元神奈川県立かながわ農業アカデミー校長
著書に「かわいいとり撮りさんぽ」アスコット、「かわいい もふもふエナガ」Amazonなど

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