
(機関誌ミドリ130号2023)
虫とりの日常「夏といえば 虫とりですね」
夏休みになると近所の子ども達が遊びに来る。
我が家の庭先でトカゲやセミをとるらしい。
一緒に近くの公園や山へ虫採りに行くこともある。
公園や山だと子どもは元気になる。
きっと土の地面がその源になっているのだと思う。
最初は虫にさわれなかった子どもも、一夏が終わる頃には自分でセミを捕まえて持てるようになった。
夏と言えば虫、と思われがちだけれど、春から初夏にかけての方が虫のバリエーションは豊富だし、暑いと虫もあまり動かない。
夏はやはり、夜の虫採りが楽しい。
カブトムシやクワガタはいつだってかっこいい。
子どもの頃にはなかなか行けなかった夜の山へ好きなだけ行けるんだから、大人になってよかったなぁ、などとのんびり思っていたら、警察に声をかけられた。「何して る ん で す か?」 って こ の 格 好 を 見 て わ か ら な い の か 、と悲しかった。
やはり子どもの頃からちゃんと虫採りに連れて行かなければならない。
プロフィール
横山 寛多
絵本作家、イラストレーター
連載(2023)
虫とりの日常①「春だ」
虫とりの日常②「起きたら春がいい」
虫とりの日常③「夏といえば虫とりですね」
虫とりの日常④「セセリチョウがとびはじめて秋がはじまります」
虫とりの日常⑤「冬来たりなば春とおからじ、ですね!」