講 演
~身近なみどりの大切さをテレビで表現するために~ 『目がテン!かがくの里8年のとりくみについて』 他、2団体による発表 | |||
※当日はマスクの着用と検温の報告をお願いします。なお、新型コロナウィルス感染症拡大防止対策により急な中止・変更がありますことをご承知おきください。 | |||
▼日にち | 令和4年11月27日(日) | ||
▼時 間 | 13:30~16:00 | ||
▼会 場 | 横浜情報文化センター 6F「情文ホール」 | ||
▼最寄り駅 | ・みなとみらい線「日本大通り駅」3番情文センター口 直結 ・JR「関内駅」南口徒歩10分 ・横浜市営地下鉄「関内駅」1番出口徒歩10分 ・市営バス 「日本大通り駅県庁前」バス停徒歩1分 横浜駅東口バスターミナル(横浜そごう1F)から 8・58系統乗車15分 桜木町駅バスターミナルから 8・20・21・58・158系統乗車10分 ・首都高速「横浜公園ランプ3分」 ・駐車場 最初の1時間まで500円 以降30分ごと250円 ※土日祝上限2,000円 | ||
▼講 師 | 日本テレビ放送網株式会社 コンテンツ制作局 演出・プロデューサー 似鳥 利行氏 | ||
▼定 員 | 120人(先着順) | ||
▼申込方法 | 【申込受付】終了 ※所定の参加申込書に ①(みどりの実践団体の方は実践団体名) ②代表者氏名・住所・電話番号 ①~②をご記入のうえ、HP、メール、FAXまたは郵送にてお申し込みください。 【申込用紙付き案内チラシ】 ・チラシ表面(案内文) ・チラシ裏面(地図・申込用紙) 〒220-0073 横浜市西区岡野2-12-20 (公財)かながわトラストみどり財団 みどり企画課 ※FAX:045-412-2300 ※メール:midori@ktm.or.jp 問合せ先 (公財)かながわトラストみどり財団 ※電話:045-412-2525 | ||
▼概 要 | 第一部の講演は「~身近なみどりの大切さをテレビで表現するために~目がテン!かがくの里8年の取り組みについて」講師を務めてくださる似鳥利行氏は、日テレ「所さんの目がテン!」(毎週日曜日朝7時放送)の演出・プロデューサーであり、視聴者の自然環境への関心を醸成すべく様々な企画を番組内で発信しています。 北極圏グリーンランドでの氷河定点観測、ガラパゴス諸島の生物多様性の取材等を企画立案し、日本の里山の再生を目指す「かがくの里」は、2015年から8年にわたり放送を継続しています。 第二部では ●横浜市立南舞岡小学校主幹教諭 長野亮太氏による「地域の自然と関わり子どもたちが学んだこと」 ●新生さくら道の会 会長石川正治氏による「子どもたちと地域活動について」をそれぞれの活動から発表いただきます。 <写真は「所さんの目がテン!」より> |
「みどりの実践団体研修会」報告書
みどりの実践団体研修会は、地域の緑化を推進する活動を行う実践団体の育成、支援のため開催しています。本年度は、感染症対策と安全面を確保して、実践団体24団体、一般申込を含め64名の参加を得ました。さらに、緑の大使5名が参加し、司会や募金活動を呼びかける等、積極的に取り組み活発な雰囲気のなか進行しました。
講演は、1989年から日本テレビで放送している「所さんの目がテン!」の演出・プロデュ-サ-であり、子供の頃から山登りや自然が好きな似鳥氏を講師に迎えました。
テレビで自然の景色だけでは視聴者に関心をもたれるのは難しく、身近に感じ興味を持っていただく事が必要であるため、まず社会課題の解決に向けた番組にしたいという目標を掲げました。その中で、里山荒廃や耕作放棄地等の問題に注目し、それに加え田舎暮らしや地方への移住の傾向が見受けられることから、とっつきやすく興味を引く入り口として「もし、科学者が田舎暮らしをしたら」というテーマで里山再生を取り上げようというのが立案のきっかけでした。こうしてスタートした企画は、派生的企画も加わり長期の実験企画となり、茨城県常陸太田市にある普通の土地「かがくの里」約2千坪が、携わった地元の方々と専門家との協力により、豊かな里山に再生するまでの試行錯誤や苦労話を交えた内容で放送することができました。
「かがくの里」は特別な土地ではなく、手付かずの里山で作物の栽培にむかない粘土質の土地でした。竹暗渠を利用して湧き水を農業用に引き循環できるように構築し、栄養豊富な田んぼの土壌を繋いで溜池を作ると、絶滅危惧種のタガメ、タイコウチ、ガムシなど様々な水生昆虫がこの池を求めて戻ってくるようになり生物多様性が増しました。この溜池では、人が生き物にエサを与えず、その池の自然の物を食べて育つという粗放養殖という方法で、ドジョウやエビ、ホンモロコといった生き物の増殖に成功し、さらには、二ホンウナギも育ち、通常の養殖環境下では99%がオスになってしまうのに対し、ここで育てるとメスが半数ほど出現し興味深い結果を得ました。
このようなことをはじめ、間伐等による森や木の活用、野生ミツバチの養蜂、水捌け悪い土地での農産物栽培、農業用溜池を利用したウナギの養殖、フクロウの誘致、様々な昆虫が生息するための環境維持、それぞれの場面で各専門家に指導を受け、地元の林業家にも助けていただきました。こうした専門家と地元の皆様の協力により里山再生を実現することができました。
さらには、かがくの里を通じて見えてきた生物多様性の大切さなどに関連する問題や地球温暖化への関心を掘り下げ、南米ガラパゴス諸島、グリーンランドの調査で生物多様性の大切さをとっつきやすい「氷山の氷でかき氷を作ったら」や「白夜で魚を干したら干物になるか」とともに伝えることができました。その後、「放置竹林を解決せよ」「林業ボーイズはじめての林業」「残したい~トコロ」など、番組で社会問題を取り上げていく特別企画に結びつきました。
当番組では、里山を人が適切に管理するにより、豊かに甦り生態系を取り戻していく様子を放送できたことに関連して、これがヒントになって、全国に里山再生の取り組みが広がっていくことが本望です。今回、皆様に身近にある緑に注目し、協力し合って活動を継続していきましょうと直接呼びかける貴重な機会でした。
続いて舞岡公園で総合的な学習を実施した横浜市立南舞岡小学校主幹教諭の長野先生を迎えて、舞岡公園の活動を通じ、外来種や環境問題などに対する子供の意識変化とともに発表されました。
昨年、6年生担任の時に総合的な学習授業をした舞岡公園での実践の話です。総合的な学習は、子供達が自ら実社会やその問題に対して、解決を見出していく学習です。6年生は、自分達で環境問題、SDGs…身近な自然から環境問題の視点で学びたいと考え、その具体的な活動は、舞岡公園でボランティア活動をしたい、身近な環境問題は何かを知りたいということでした。
舞園公園の職員の協力を得て、まず、自分達で、授業の意図、目的、思いを伝え、ボランティア活動を行えるようお願いしました。そして、外来種のセイタカアワダチソウについて、子供達は、あまり良く知りませんでしたが、説明を聞くと、いつも目にする植物であることに気付き、この植物があまりよくないことにも気付き、舞岡公園には、露地や空き地に見るようにたくさんのセイタカアワダチソウが生えていることが分かって、これを抜く作業が始まりました。
2回目、3回目もセイタカアワダチソウを抜く活動で、「また同じなの~」とはならず、より楽しみ、より本気で一生懸命に取り組む姿が見られ、抜いたのを置き場にもっていき堆肥にすることを知ったことも大切な学びで、教科書で知るより、自分達の体を使って実感することが、本当の学び、知識だと思いました。ここまでの活動から、子供達は何を思ったかというと、自然を大切にすることです。子供達は、基本、とても素直で感じ方もまっすぐで、そして自然公園だからこそ、そのようなことを感じることができたと思いました。この時、良い経験ができていると感じました。4回目は池の中の生物調査、やってみるとアメリカザリガニ、オタマジャクシなど多く生息していました。その分類は在来種もいましたが、外来種の多さにびっくりでした。ここで子供達は、外来種より在来種に目を向け、在来種を保護したい、種類を知りたい、という思いになり、舞岡公園の在来種について職員から話を聞きました。そうした中で子供達は、「在来種の植物はどこに咲いているんですか。」と尋ねると、「それは教えられません。」との回答に、子供達は「えっ、」となりました。もし、教えたら植物が好きな人が来て在来種を捕ってしまうかもしれないから、舞岡公園の在来種を守るために皆さんにも教えられないという意図です。この授業全体の学びどころで、ここまでしないと、大事な自然を守れないんだと、山場を迎えた時間でした。その後は、図鑑作り、ポスター作り、ボランティアと活動は続き、5回目は、公園の落ち葉清掃、こうして子供達が、授業で何を学び、何を経験し、何を感じ、何をして大人になるのかを考えると、身の回りの人、物、事の対象と太く、強く、長く関わる過程で、何に気付くか、感じるかが大切です。
子供達は、公園職員と接し本気で豊かな自然を守ろうとしていること、在来種・外来種に接しネット情報より実際に体験や話を聞き自ら行動し活動した方が心に残ること、草抜きを行い思ったより大変、でもクラスのみんなで協力してできたから楽しかったこと、空気のにおいや誰かのつぶやきなどに接し実際に体験して感じることは沢山あること、これらが本当の学びだと思っています。これは、大人になっても同じだと思います。多様で色々な方と出会い、出来事に遭遇し、何かを作る中で、自分がどう感じるか、感性がどう働くか、そして豊かな自然やまちにある小さな自然で何を思うか、その感性を、小学校時代にたくさん磨いて、正しい感性を身に付けてほしいと思っています。
子供のアイデア、視点の中に、環境問題、自然科学の内容がかなり入っていること、そのように感じ始めていること、このようなアイデアを持った子供達が、将来どんな大人になり、どんな持続可能な社会になるのか楽しみにしています。
こうして近い将来に思いを馳せ、地主校長先生が参観された中で、真摯に子供達と取り組まれた活動発表を閉じました。
みどりの実践団体からは、新生さくら道の会の石川会長を迎え、子供達との地域活動が発表されました。
昭和39年、畑灌土手に住民がソメイヨシノを植樹、昭和49年、「さくら保存会」が発足、平成20年には、「新生さくら道の会」を発足しました。桜の枝等が家々の屋根を覆う状況となり、樋を詰まらせる等の影響を防ぐため、大がかりな剪定を行うことになりました。その後、灌漑用水路の跡地に設置された「さくら百華の道」が活動の場となりました。そこで、皆に親しまれる緑道づくりを目指して、樹木の管理とともに365日の公衆トイレ清掃やパトロールを行っています。そうした管理のもと、ひな祭り、さくら祭りや七夕の夕べなど、中学生小学生、幼稚園、保育園等の子供達の参加により、多くの催し物を同会と一緒に手掛けるようになりました。平成30年相模が丘小学校宮下校長先生から、相模が丘で地域をあげて行っている子供達との地域活動の大切さを是非子供達に教えて欲しいと要請があり、3年生の総合学習では、当会の緑道清掃等の地域活動をテーマにして、取り組んでみると子供達には地域社会の一員としての心が芽生えたそうです。
そのようななか、令和3年、同会の活動拠点「さくら亭」が放火され全焼。これに即応したのが、相模が丘小学校の生徒達で被害の復旧募金活動、寄書きとさくら道ライトアップのポスターの作成は、初めて子供達が自発的に始めた行動でした。
こうして同会では、今後も地域の子供達との出会いとふれあいを大切にし、地域の活性化とふる里づくりに努め、継続して活動することによって、次の世代に引き継がれていくことを期待していますと発表を締めくくりました。
【感想】
参加した実践団体の中からは、次のような感想が寄せられました。
「次の世代を担う地域の子供達との取り組みは、実に勉強になりました。」
「子供達が色々なことから読み取った感想の発表は、とても興味深く聴きました。」
「自然環境を次の世代へ引き継がれていくためには、時間がかかるが、子供たちと一緒に取り組み身近な緑を意識させることが大切だと思いました。」 など。
<参加したかながわ緑の大使5名>
<緑の大使が受付にて募金、会員申込案内。>
<トラスト運動パネル展示とリーフレット配布> | <新生さくら道の会活動紹介パネル展示> |
<緑の大使による司会(請川大使)> | <松本大使> |
<新井専務の挨拶と緑の大使紹介>
<講演の講師 日本テレビプロデューサー 似鳥氏> | <講演の質問:北鎌倉湧水ネットワーク 野口氏> |
<活動発表の南舞岡小学校 長野主幹教諭> | <発表の質問:景観まちづくり研究会・葉山 野中氏> |
<感染対策の会場の様子(長野主幹教諭発表)> | 活動発表の新生さくら道の会 石川会長 |
<国内間伐材で作った紙製容器カートカンを配布>