オリジナルのお茶を作る方法
ドクダミ、イヌビワ、カナムグラ、クズ、エノコログサ、ジュズダマのお茶を試しました。今回は時間も限られているため、乾燥方法は電子レンジを使用し、急須に葉を入れてお湯を注ぐ方法で試飲しました。成分を十分出すには長い時間かけて煮出すとよいそうです。また自然乾燥する方法は、よく洗って軒先や室内に吊るとよく数日で乾きます。
簡単便利、電子レンジでハーブティづくり
材料(2~3杯程度)
葉 手づかみ1杯(10枚程度)
お湯 300ml
(1)葉をよく洗い、キッチンペーパーなどで水気をとる。
(2)電子レンジで1分半程度(600w)、加熱乾燥させ、パリパリにする。
足りないようなら追加15~30秒。こげないよう乾燥具合を確かめて。
(3)急須に乾燥した葉をバラバラに崩して入れ、お湯を注ぎ2~3分程度で出来上がり。
雑草?野草?試した植物7種
■ドクダミ
古くから民間薬として親しまれ、薬用名にジュウヤク(十薬、重薬)といわれ薬用が高いといわれます。春の花が咲く前くらいに採取し、根の部分がより栄養価が高いといわれ、葉つきの茎と根ごと掘りだす。ただし、よく洗って土を落とすこと。
参加者の感想:すっきりした味わい、普通のお茶みたい、クセがない。
■イヌビワ
小さなビワのような果実が特徴で、散策路の脇の日に当たる斜面地などによく生える低木です。クワ科イチジク属なのでフレーバーティになりそう。
参加者の感想:電子レンジで乾燥したところからココナッツの匂いがすごい。味も良い、クッキー、おかし茶。
■カナムグラ
野辺に繁茂するツル性の植物です。かたい茎に下向きのトゲがあり、他植物などにひっかけて這い上り辺り一面を覆います。アサ科なのでホップなど青臭いものになりそう。
参加者の感想:青臭い、米のとぎ汁、そば湯、脂っこい食後に飲みたい。
■クズ
カナムグラと同じ環境に繁茂するマメ科のツル性の植物です。樹木にも巻きつき、樹木を覆うことも。古くから根を用いて食材の葛粉や葛根(かっこん)として漢方薬として親しまれています。花は山菜として食べることも。
参加者の感想:マメの香り、青臭い、とろみがある。
■ビワ
下ごしらえがいる必要のため、今回は経験者が数か月前に採取、加工したビワ茶を試飲しました。葉は若くない大葉を2~3月に採取し、水洗いしながらブラシで両面の細かい毛を採り、水気をよくとって自然乾燥させ、数日干してお茶にするそうです。
林内では低木がよく見つかります。効能も高くビワ茶として昔から親しまれ、染色として利用されるように、よい色が出ます。
参加者の感想:和風のベージュ色、色が強く出る、海藻の香り、あとに残る味。
香ばしさを出す焙煎を加えたハーブティ
エノコログサ、ジュズダマの実や葉は、香ばしさを出すためにフライパインで少しだけ炒った焙煎茶。成分を十分出すには長い時間かけて煮出すとよい。今回は、既によく洗って軒先や室内に吊るして自然乾燥させたものを使用。
材料(2~3杯程度)
葉 手づかみ1杯(10枚程度) 乾燥済
お湯 300ml
用意するもの:フライパン、ハサミ
(1)茎に葉と実を付けた状態で、しっかり洗い、ひもで縛って干す。
(今回は乾燥したものを使いました。)
(2)乾燥した茎葉実を、フライパンの上でハサミを使って適当に細かく刻み、中火で香ばしい匂いが出る程度まで2~3分炒る。
(3)お湯を注ぎ2~3分程度煮出して出来上がり。
■エノコログサ
街中の空き地でもよく見かけるエノコログサ(ねこじゃらし)。畑地などで除草してもすぐに勢力を回復する強靭な雑草。穀物のアワはイネ科エノコログサ属であり原種とされるそうなので、以外に栄養価が高いかも。 参加者の感想:香ばしい、ワラの風味。
■ジュズダマ
田んぼ畔など水気の多い野辺に生育し、1mを超えて大型になるイネ科の植物で、ハトムギに近い種。名前の由来では、実に穴がありそれを紐でつないで仏具の数珠(じゅず)のようになるからつけられたとも。
参加者の感想:香ばしい、甘く強い味、後に残る、とうもろこし味、コーンスープのようなとろみ。
今回参加した全員に、試飲した中で一番美味しかった植物の多数決をとったところ、1位はイヌビワ、次点でエノコログサ、ドクダミと続きました。雑草として一緒くたにされた植物たちが独特で個性的な味を楽しめるお茶になるとは驚きで、新たな発見の機会となりました。
※イベントの内容を参考までに掲載しています。野の植物を採取することを推奨するものではなく、自然環境や緑地の大切さを知ってもらうことを目的に掲載しています。公園や緑地での植物の採取は禁止されていますし、空地であっても地権者に許可が必要です。また市販ではなく野に生える薬草ですから十分に配慮して、ご自身の判断と責任で扱ってください。