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連載 親子で鳥日記③ 「コサギのねぐらを見る」

コサギのねぐらを見る

昨冬、友人から大船駅のプラットフォームからコサギのねぐらが見られると教えていただき、日が暮れる頃に娘と出かけてみた。ねぐらのセンダンの木は白い糞がついていてすぐにわかったけれど、まだコサギの姿は見られず、娘が待ちくたびれるのとコサギが飛来するのとどちらが早いかちょっと心配した。電車の往来を眺めるうちに、空を飛ぶ1羽を見つけた。辺りを偵察しているようだ。
5時14分、8羽が飛んできて駅前通りの電線に止まった。雑居ビルの間を走る電線にコサギが十数羽も並ぶ光景はおもしろい。5時20分、ホームに電車が入り視界が遮られているうちに、コサギはねぐらの木におりてきた。「ガッガッ」「ガー」という声が騒がしい。電車が通り過ぎたら、白い20羽のコサギが止まっていた。
娘とわたしは、いつも何か観察するとスケッチしている。娘のノートを見たら、コサギが足を前に突き出して降りてくる様子や、ふわりとカールしたきれいな飾り羽の個体が描きこまれていた。
コサギは次々と舞いおりてきて、5時40分に数えてみると60羽くらいいた! 6時前には落ち着いて静かになった。目の前でこんな光景が繰り広げられていても、気づかずに通り過ぎる人が多い。日常生活のなかでも意識していれば、おもしろい観察ができる。

プロフィール
東郷 なりさ(とうごうなりさ)
絵本作家、イラストレーター。ブログに「クイナ通りSoi17」https://narisatogo.blogspot.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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