なぜシュロ葉ほうきを作るのか
シュロは南の国にあるココナッツやアブラヤシといったヤシ科の仲間ですが、神奈川県内のどこの樹林地でも見かけることができ、最近になって広がりつつある植物です。
高さ5~10m程度まで大きくなり、幹部分(葉柄基部)から出す茶色の皮毛は固く、耐水性があるため、昔からシュロ縄やタワシ、ほうきなどに使われる有用植物でした。
シュロは暗がりの森や竹林でも強靭に育ちます。手入れ不足で草木が繁茂する都市域の樹林地では特に多く、林縁部では日の光をたくさん浴びて、葉を熊手みたいに大きく広げて生長も早いため、枝葉を切り落とすなどの手入れが必要です。
人の背丈ほどの大きさなら枝葉を切るだけで生長を抑えることができますが、それ以上に伸びると幹部分の皮毛が邪魔してノコギリによる伐採も大変な作業になります。
シュロ葉を使ったクラフト
シュロ葉は繊維質で固く、クラフト素材としてカゴなどの編み込み、バッタやカタツムリなどの造形に使われてきました。都市域にある身近に手に入る植物として手芸の事例はたくさんあります。
その中でも“シュロ葉ほうき”作りは誰でも簡単に、そしてたくさんの葉を使うことができるため、緑地管理で出た資源を有効に活用できます。
シュロ葉ほうきの作り方 ☆トラスト財団考案☆
(葉の下処理)
土汚れを取り除き、風通しの良い、日陰で1ヶ月ほど乾燥させます。切り取った葉をすぐに使えますが、乾燥によって小さくなるのでヒモの結び直しが必要になります。
(ほうきの作り方)
① 扇状円形の葉の裂片を葉柄の先まで裂く。
② 葉部をまとめ上げて、葉柄の先から3㎝以上の葉部のところをヒモで結ぶ。
(①の葉と葉をよってヒモとして使うこともできます。)
③ まとめた葉②を3本束にして、葉部に1か所、葉柄部分も2か所以上をヒモで結んで完成。
イベントを開催します。詳細はこちら:令和6年8月3日(土)-4日(日)京急百貨店エコウィーク出展「シュロ葉ほうきを作ろう」