令和6年度みどりの実践団体研修会
講 演
~TVプロデューサー・昆虫映像クリエイターと考える~
「地域社会の力を活かした生物多様性保全とSNS活用」
(※申込先着順 お申込の際、ご意見・ご要望欄に所属団体名をご記入ください)
▼日 時 | 令和7年2月16日(日) 13:30~16:00 |
▼会 場 | 横浜情報文化センター 6階 情文ホール 横浜市中区日本大通11 |
▼最寄り駅 | みなとみらい線「日本大通り駅」3番情文センター口 直結 JR「関内駅」南口 徒歩10分 横浜市営地下鉄「関内駅」1番出口 徒歩10分 |
▼講師 | 昆虫映像クリエイター トーキョーバグボーイズ 平井 文彦 氏 一般社団法人ネイチャーポジティブ代表理事 テレビプロデューサー 似鳥 利行 氏 |
▼参加費 | 無料 |
▼定 員 | 120人(先着順) |
▼申込方法 | 【申込受付】先着順 ①イベント名 ②みどりの実践団体名と代表者氏名・住所・電話番号 ③メール申し込みのかたはメールアドレス ④同伴者氏名 ①~④ご記入のうえ、メール/FAX/はがき/イベントフォーム にてお申し込みください。【申込用紙】 Word(裏面申込用紙) 〒220-0073 横浜市西区岡野2-12-20 (公財)かながわトラストみどり財団 みどり企画課 ※FAX:045-412-2300 ※メール:midori@ktm.or.jp |
▼問合せ先 | (公財)かながわトラストみどり財団 ※電話:045-412-2525 |
▼概 要 | TV「ダーウィンが来た!」や「所さんの目がテン!」でお馴染みのトーキョーバグボーイズ平井文彦氏が、TVプロデューサーと、地域社会の力を活かして生物多様性の保全とSNS活用について語り、身近な貴重な自然を次世代に引き継ぐため皆様とともに考える。 |
令和6年度みどりの実践団体研修会 活動報告
みどりの実践団体研修会は、かながわの各地域で緑化を推進している実践団体の支援及び地域の緑に関心がある方等に地域緑化活動にご協力いただく機会の提供になるよう開催しています。
本年度の講演は、TV「ダーウィンが来た!」や「所さんの目がテン!」でお馴染みのトーキョーバグボーイズの平井文彦さんがTVプロデュ-サ-の似鳥さんと地域社会の力を活かした生物多様性保全とSNS戦略に関する講演を行いました。
始めに似鳥さんから、一般社団法人ネイチャーポジティブを設立して、特に若者層の方々に、自然観察会や昆虫展の企画、自然と共生してきた地域の特色ある伝統文化を体験できる機会等を提供し、自然への理解を深めるお手伝いをしたいことが紹介されました
続いて、平井さんからは、地球上のすべての生命は互いに関わり合い支え合い、そして私たちも人間だけで成り立っているのではなく、無数の生物に支えられていること、そこから生物多様性の保全に注目した話で始まりました。
平井さんが、保全の気持ちを抱いたきっかけが昆虫でした。平井さんは、鍼灸、マッサージ等のエステ業界が専門で仕事だけの生活を送っていましたが、一人のダンサーと出会いで人生の転機が訪れました。ダンス公演のカメラでの記録を頼まれ、借り物の一眼タイプのカメラに恐る恐る触ったのを覚えています。それからカメラを購入したものの何も趣味などがなく、そう言えばこどもの頃、虫が好きだったなと思い出し、休日の朝にカメラを持って散歩に出かけました。小さな虫にピントを合わせてシャッターボタンを押し、拡大したところ、気にもしなかった自分の足元にはこんなに美しく精緻な者たちがうごめいて、見たことのない世界に衝撃を受けました。捕食、交尾、逃げ、戦うなどの動く場面に着目して、生きものと生きものの関係性にとても興味を抱き、そこから昆虫を知るということは地球を知ることだと思い、生物多様性に関心を持ち保全する活動に参加しています。平井さんから昆虫に興味がある方は大歓迎なので声掛けくださいとの呼びかけに、休憩時等に話しかける参加者が続きました。
クイズ形式では、参加者から回答後、次のような説明がありました。「近年田の減少とともに減っている生きものは?」タガメはトノサマガエルが好きなので、消化液を注入して内臓を溶かし吸い取るので死骸が浮かんでいる付近には高確率でタガメが活動しています。次に「里山が管理されないと増えやすい植物は?」近年放置竹林が問題になっています。地滑りの危険性。成長が早く他の植物が育ちにくく生物の多様性が低くなってしまう。このため人手の管理が必要です。「ゲンジボタルを増やすには?」関西型2秒に1回、関東型4秒に1回の点滅間隔。関東のホタルの名所に行き関西型を見て、保全している方に確認したところ、増やすために関西方面から購入して放流したとの事。これによって、関東型はこの場所にはいなくなりました。また、神奈川県でモリアオガエルを人為的に放している人がいて問題になっている。こうした安易な放流で失われてしまうこともあるので「他区域から生き物を持ち込み放すことは絶対にやめましょう」と生物多様性の目標の一つである「遺伝的多様性も保ちましょう」とともにSNSを通じて啓蒙を行っています。
その後の質疑応答では、昆虫映像の撮影用にスマートフォンに付けるクローズアップレンズや顕微鏡レンズの使い方にはじまり、戦後食料用としてウシガエルとその餌でアメリカザリガニが国内に持ち込まれて広まり根絶は難しいこと。アカボシゴマダラも南西諸島から持ち込まれ増えていることや同じ榎を食草としているオオムラサキは榎の落葉の中で越冬するから落葉を掃除されるとそれとともに捨てられ死滅してしまうので、それを防ぐことなど。
さらに、平井さんが注目している昆虫を聞かれると、8年越しで会えたオオシロカゲロウや未だ見たことのない幻の昆虫と言われるミツバチシラミバエと答え目を輝かせていました。このように来場者の参加を得て、関心を高めながら進められました。
講演の終わりに、自然環境の保全は、地域社会と協力して一緒に取り組むことが継続面で重要になるので、本日参加の皆様も今から意識しておいてください。自然環境保全の次世代の担い手を育成するきっかけ作りのお手伝いを続けていきたいと思って活動していることが紹介されました。なかでも将来の見通しに関しては、どうしたら生物多様性が保てるのか、今回は私たちも学ばせていただき、皆様と一緒に考え、まずは活動していきましょうと語り合う場面もあり、和やかな雰囲気で進められた講演でした。
続いて、みどりの実践団体からは、横浜市の六ッ川第二自治会の小川会長より活動が発表されました。ポイントは若者の活動参加。役員を引き受ける方がなく、会費や寄付を求められ回覧板が回ってくるだけという印象を払拭するために喧々諤々。その中から、中学生家庭と中学校との話し合いの機会を経て、中学・高校生が役員に就任できるよう自治会規約改正する方法を採択しました。
こうして同会では、中学・高校生が役員に加わり、若者も参加する地域貢献活動が実現しています。今後も地域の子供達との出会いとふれあいを大切にし、継続して活動することによって、次の世代に引き継がれていくことを期待していますと発表を締めくくりました。
【感想】
参加した実践団体の中からは、次のような感想が寄せられました。
「本年度の講習会もよい講演でした。来年度もお願いします。」
「次の世代を担う地域の学校や子供達との取り組みは、勉強になりましたが、当方で取り入れていくのが難しい。」 など

生物多様性保全に関する講演の模様

活動発表の六ッ川第二自治会

質疑応答時に客席を回る講師

参加者を迎える緑の大使

若者参加の地域緑化活動を質問する緑の大使

講師と昆虫等の話をする緑の大使