「藤沢えびね・やまゆり園で植物観察会」の詳細
日時 | 2021年04月23日(金) 9:00~12:30 |
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場所 | 集 合 湘南台駅西口交番前 9:00 |
自然観察会
※当日はマスクの着用と検温の報告をお願いします。なお、新型コロナウィルス感染症拡大防止対策により、急な中止・行程変更がありますことをご承知おきください。
▼集 合 | 湘南台駅西口交番前 9:00 (湘南台駅西口バス停手前にあります) |
▼解 散 | 湘南台駅 12:30 |
▼行 程 | 湘南台駅西口交番前集合~バス~「慶応大学」→笹窪谷戸→藤沢えびね・やまゆり園→農家レストランいぶき(一旦解散)→「慶応大学」~バス~湘南台駅 |
▼講 師 | 樹木医 冨田 改氏 |
▼定 員 | 15人(抽選) |
▼参加費 | 会員 無料 一般2,000円 学生1,000円 ※別途入園料大人300円が必要です。 ※現地までの交通費及び行程途中のバス代は各自負担です。 |
▼雨天時 | 原則として小雨天実施です。コース等の変更をする場合があります。当財団ツイッターでも、開催状況をお知らせしています。 財団公式ツイッター |
▼持ち物等 | 歩きやすい靴、帽子、水筒、筆記用具、雨具 |
▼申込方法 | 【申込受付】終了しました。 ①参加希望日と行事名 ②代表者氏名・住所・電話番号 ③会員の方は会員番号 ④メール申し込みのかたはメールアドレス ⑤同伴者氏名・住所・電話番号・会員の方は会員番号 ①~⑤ご記入のうえ、メール/FAX/はがき/イベントフォームにてお申し込みください。 〒220-0073 横浜市西区岡野2-12-20 (公財)かながわトラストみどり財団 みどり企画課 ※FAX:045-412-2300 ※メール:midori@ktm.or.jp |
▼問合せ先 | (公財)かながわトラストみどり財団 ※電話:045-412-2525 |
▼概 要 | 咲き誇るエビネや山野草を楽しみ、関東初国家戦略特区を活用した「農家レストランいぶき」の誕生秘話を伺います。 ※「農家レストランいぶき」でのお食事は予約が必要です。 |
「自然観察会 藤沢えびね・やまゆり園で植物観察会」活動報告書
晴天でしたが、日差しよりも気温が低く、肌寒さを感じながらのスタート。バス停「慶応大学」下車し、今回の講師、冨田 改先生と合流。オリエンテーションでは新型コロナ感染症防止対策をお願いした後、先生をご紹介。
冨田先生は藤沢市遠藤出身。樹木医のほか、一級造園技能士、一級造園施工管理技士など様々な資格をお持ちです。先生は生まれ育った遠藤の発展と荒れ果てていた里山を保全するために奔走され、「NPO法人里地里山景観と農業の再生プロジェクト」を設立。現在理事長を務められています。また、自然の大切さを次の世代に伝えていくため、自然観察指導員の資格も取られたそうです。
さっそく笹窪谷戸へ向かいます。道すがら、先生より遠藤の歴史について話してくれました。もとは高座郡であった遠藤地区は明治22年に小出村大字遠藤になり、昭和30年小出村の大字遠藤は藤沢市へ、それ以外の地域は茅ヶ崎市へ編入された、とのこと。藤沢市でも比較的農地が多い遠藤。野草や樹木の説明を受けながら進んでいく途中、「今、キジが鳴きました」と先生。初めて聞くキジの鳴き声でしたが、その後、耳を澄ませると、時折キジが鳴いているのがわかりました。
笹窪谷戸は藤沢市の三大谷戸の一つであり、笹窪は集落名。「谷戸(やと)」とは低湿地、山あいの湿地帯を指す言葉。かつて谷戸底には12軒の農家がありましたが、関東大震災で地割れ・地滑りが起き、全戸倒壊。しばらく水田として利用されていたそうですが、その後、藤沢市が「健康と文化の森」構想により、谷戸底を買い上げ、その構想に基づき、1990年、慶應義塾湘南藤沢キャンパス、2001年に慶応大学看護医療学部が開設されました。現在、笹窪谷戸は整備中でしたが、これからの事業計画を伺いました。
次に「藤沢えびね・やまゆり園」へ。今回参加された方は山野草に詳しい方が多く、時折、目にした山野草に驚嘆する声が聴かれました。園は造園に長けた冨田先生の計画のもと、日差しに配慮したつくりになっています。山野草は日向より、半日蔭を好むようで、台風で倒木が起き、日差しが厳しくなった場所には山野草の周りに黒いネットで覆われた囲いを作り、半日蔭を作っていました。
ジエビネ、キエビネ、コウズエビネなど様々なエビネ。白いエビネも人気があるとか。ムサシアブミ、ガンセキラン、シャガ、ウラシマソウ、ヤマブキソウ、クマガイソウ、オドリコソウ、ミヤコワスレ、ミヤマオダマキ、スズラン、ヒメウツギ、シラユキゲシ、キンラン、シライトソウ、オオデマリ、ノシラン、ツリガネズイセン等の開花を楽しみ、イワガラミの蕾を見せてもらいました。蕾は他もたくさんあり、8月第二週の日曜日までの開園期間、十分楽しめる山野草が植えられています。植物名を指した名札があり、山野草初心者には嬉しい気配りです。また、スタッフの方にも大変良くしていただきました。こちらのスタッフが所属する「NPO法人里地里山景観と農業の再生プロジェクト」の活動の基本は「遠藤の100年後の景観を夢見て」。毎年、山野草が増え、園が整備されていくのも納得です。
緑の風景と密接に関連し、人の営みの基本産業である耕作(農業)を活性化させることで豊かな地域社会を築いていけるのでは、という冨田先生の思いは、次の場所「農家レストランいぶき」を誕生させます。原則として農振農用地区域内にレストランを設置することは認められていませんが、地域において生産した農作物を使用する等、一定の要件を満たす農家レストランについては、これを農業用施設として設置が認められます。農業の6次産業化をすすめ、農家の所得増加を目的としたこの取り組みが「国家戦略特区」。この制度を利用しようと思った矢先、いぶき建設予定地の建設許可は市街化調整区域と同様の手続きが必要となり、レストラン開店までに約3年かかった、とのこと。設立までにはご苦労がありましたが、農業再生に向ける思いは様々な困難を乗り越え、無事オープンすることに。オープニングセレモニーには農水大臣、県知事、そしてこの事業を支えてくれた100名余りの関係者が参加されたそうです。「農家レストランいぶき」の訪問時は平日の昼間でしたが、既に予約客で満席。
最後に冨田先生は「私は今、75歳。生きている以上、精一杯生きていこうと思いますし、まだまだやりたいこともあります。皆さんも頑張ってください」と力強く述べられました。
〈笹窪谷戸にて〉
〈藤沢えびね・やまゆり園〉
〈キエビネ〉
〈エビネ〉
〈ミヤコワスレ〉
〈ミヤマオダマキ〉
〈ツリガネズイセン〉
〈オドリコソウ。なかなか目にする機会がないと、喜ばれた参加者もいました。〉
〈白いエビネも人気〉
〈園では、台風で倒れた木を使い、ベンチ等を作成して設置。ここでゆっくり一息ついて何も考えず過ごして欲しい、と冨田先生〉
〈「農家レストランいぶき」 書家武田双雲氏による看板文字〉
〈関東初国家戦略特区を活用した「農家レストランいぶき」〉