「2022かながわ緑の大使」がリレーでメッセージを発信します。
4月に大使になってから4か月余り経ちました。各イベントに参加することも大切ですが、自分の気持ちと向き合い、かながわの自然やみどりについてのメッセージを発信することも、大使たちの将来に向けて大きな糧になることと思います。
8回目は広尾学園高等学校2年の長本吏央さんです(松本梨咲さんは都合により、次回掲載させていただきます)。
長本 吏央(ながもと りお)さん (広尾学園高等学校2年生)
「2022かながわ緑の大使」の長本吏央です。今回は私の2回目のグリーンメッセージです。
私は中学3年生の時に卒業論文及び高校1年生の自由研究で「2019年台風19号による被害から考える多摩川水害新対策」というテーマで洪水被害とその対策について、現地を訪問し考察しました。調べるうちに川の氾濫域だけでなく流域全体の被害を減らす「流域治水」という災害対策があることを知り、中流域と下流域の「流域治水」を調べました。
今回は、実際に訪問して調べることができなかった上流域の「流域治水」について調べてみました。上流域の「流域治水」には、利水ダムの事前放流や治山対策がありますが、他に森林整備があります。
では、整備されている森林とそうでない森林とでは、現状どうなっているのでしょうか?
間伐未実施で放置されている森林は、林内が暗く、下層植生が消失し、表土の流出が著しく、森林の水源かん養機能が低くなります。幹が細長い、いわゆるもやし状の森林となり、風雪に弱くなります。
対して、間伐が適切に実施されている森林は、林内に適度に光が射し込み、下草などの下層植生が繁茂しているため、水源かん養機能や土砂流出防止機能が高くなります。
幹が太く、生育が良くなり、風や雪にも折れにくくなります。下層植生が豊かになり、多様な生物の生息を維持できるようになります。
このように、樹木を育て、間伐の実施により森林の土壌が発達して、雨水が一旦貯まり徐々に浸透することで洪水を緩和することができます。また、流域全体として降雨のピークから洪水流出までの時間をかせぐことは、地域住民の避難を促す時間を確保することにも繋がります。
かながわトラストみどり財団で募集している「県民参加の森林づくり」では、神奈川県内で植栽、下刈り、除伐、間伐や枝打ちなどの森林づくりを行っています。
私が緑の大使に応募した動機の一つに、自分の目で流域治水を確かめたいと思っていました。私はこれから「県民参加の森林づくり」に参加しますが、流域治水の観点からの目的や効果も十分に認識しながら作業を行いたいと思います。
【県民参加の森林づくり等について】
神奈川の森林や里山を県民の参加協力によって「より豊かに守り育てていく」ことを目標に多様な森林づくり活動等を推進かつ支援する各種事業を実施しています。
詳しくはこちら 森づくり