内 容
三浦半島の先端にある小網代の森は、自然豊かな緑地です。京急三崎口駅からバス5分。雑木林の谷から動植物の宝庫である湿地を巡り、小網代の干潟に向かいます。夕暮れには、真夏の大潮に繰り広げられるアカテガニの放仔(ほうし)を海辺で観察します。
![放仔のようす](kani.jpg)
◆アカテガニの放仔(ほうし)について(写真上)
アカテガニは陸地に生息していますが、カニになる前の幼生期は海で過ごします。そのため、産卵するためには、海に降りなければなりません。産卵といっても正確には卵ではなく、「ゾエア」という幼生(ようせい)を海を放すので、「放仔(ほうし)」といいます。アカテガニは小網代の森、干潟、海すべてを使って暮らしています。
開催報告
小網代の森は平成26年7月20日(日)より木道等の施設整備が終了し、自由に散策できるようになりました。
これを記念してアカテガニ放仔観察エコツアーⅠを行いました。
午後3時に京急三崎口駅に集合し、バスで引き橋バス停まで乗車し、小網代の森の「中央の谷コース」の入口から散策を行いました。班ごとにガイドがつき、小網代の森の動植物の生態から、現在行っている自然再生作業について解説しながら、ヤナギの湿地帯やオギの大草原を抜け50分ほどで「えのきテラス」に到着。休憩後、宮ノ前峠を通って漁港より借上バスに乗車し観潮荘へ向かいました。
観潮荘では少し早めの夕食としてマグロ丼定食をいただきました。
夕暮れ前に小網代の森に戻り、アカテガニ放仔観察のガイドを開始。
アカテガニは、普段は森に住み、夏の大潮の晩に大挙して干潟の縁にきて、お腹に抱えた幼生「ゾエア」を海に放します。卵ではなく、子どもを放すので「放仔(ほうし)」といいます。
干潟にはたくさんのアカテガニがやってくるので、観察は長靴を履いて海から行います。海に入ってしばらくすると、1匹が草原からゆっくりと出て、観察者を警戒しながら、海水に入り、身体を震わせて放仔すると、ほかのカニも次から次へとやってきます。参加者はその足もとで繰り広げられる自然の営みを見入っていました。
1時間ほどで海から上がり、イベントは終了となりました。
その後、放仔で放たれた幼生「ゾエア」はひと月ばかりを海で過ごし、また森に帰ってきます。
アカテガニは小網代の森、川、海のすべてを使って生きています。かながわトラストみどり財団ではこの自然環境を保全し、多くの皆さまに知って、ご支援をいただけるよう緑地保全及び広報活動を行っています。
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中央の谷
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湿原
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オギの大草原
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観潮荘で夕食休憩
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マグロ丼定食
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森に戻って岸先生の解説
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恒例の紙芝居
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アカテガニ放仔観察
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アカテガニの放仔
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放たれた幼生(ゾエア)