自然環境学習システム

緑豊かな丹沢山地に再生しよう!

 このたび、(公財)かながわトラストみどり財団では、ボランティア向けのスキルアップ講座の一環として、インターネットによる学習システムを試みることになりました。その第1回として、生態系の劣化が進む『丹沢山地』における自然環境保全対策の1つとしての森林再生植樹についてとりあげましたが、ご理解いただけましたか?


今回のシステムの学習ポイントは、次の5つになります。


(1)地質的にもろい丹沢山地の特性と治山事業による森林再生の経緯

(2)生息環境の変化によるシカの特定地域への集中に伴う植生退行

(3)大気汚染や土壌の乾燥化など複合的な要因によるブナの立ち枯れ

(4)登山道周辺の荒廃をはじめとするオーバーユースの問題とその対策

(5)生物多様性の保全を視野に入れた森林再生のための植樹活動


 丹沢山地は、私たち人間を含めた生き物にとって、かけがえのない『身近な大自然』です。広大な丹沢山地の森林の再生、および生態系の保全対策を実現するためには、神奈川県が国や市町村等とも連携して取り組むことはもちろんのこと、ボランティアの参加など県民の方々のご理解とご協力が不可欠です。
 この学習システムを利用して、各自の能力に応じた自己学習を行った上で、自然環境保全対策の1つとしての森林の再生や植樹活動への参加や現地での体験学習を実践していただきたいと考えています。


(1)丹沢山地の森林再生に向けて

神奈川県では、近年の丹沢山地の生態系の大きな異変を科学的に解明し、具体的な対策を探るために、1993年度から4ケ年計画で「丹沢大山自然環境総合調査」を実施しました。その結果、生態系の劣化は予想以上に進行していることが明らかになり、丹沢山地の豊かな自然環境を保全・再生するために、科学的かつ総合的な自然環境の管理に取り組むことが緊急の課題となりました。

この調査結果をもとに、丹沢山地の衰退している自然環境の保全および再生を図り、かけがえのない自然を次の世代に引き継ぐために、1999年3月、「丹沢大山保全計画」を策定しました。「丹沢大山保全計画」を推進するにあたっての基本方針は、次のとおりです。

1.科学的な自然環境の管理
各保全対策の実施後にその結果をモニタリングするなど、丹沢大山の自然環境を科学的に管理することによって、将来の世代との共有財産である「生物多様性」が維持できる空間として保全する。


2.「生物多様性」の原則による管理
野生生物の生息地、魅力的な自然公園、保水力を持った水源林及び木材生産の場としての丹沢大山の役割を踏まえつつ、「生物多様性の維持とその持続的な利用の可能性」という原則に基づいて、自然環境を管理する。


3.県民と行政との連携
県民の自然保護意識が高まっていることを考慮し、また、自然環境を科学的に管理していくことについて、広く県民の理解を得るために、丹沢大山の自然環境を保全していくプロセスに多くの県民が参加する場面をつくる。


(2)ボランティアによる植樹活動等への期待

県民と連携した保全対策の一環として、県では県民の方々とともに、登山をしながら、苗木を担いで運び、森林衰退域に植樹を行う活動を支援しています。このような活動は、オーバーユース問題など丹沢山地における現状や課題を多くの方々と共有していただく機会ともなっています。
     

平成10年から「丹沢の緑を育む集い」によるボランティア主体の植樹活動が行われ、平成14年度までに合計8回行われており、のべ1,702人の参加者とともに、3,206本の植樹を実施してきました。新しい動きとして、ボランティア団体の組織力、および継続する力にベースをおいたボランティア団体主体による植樹活動の支援がスタートしました。

ボランティア活動に参加しよう!

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